サッカークラブとサポーターをつなぐ、新たな架け橋となる?
このページでは、その可能性を秘めた「クラブトークン(ファントークン)」について詳しく解説します。
そもそもクラブトークンとは何なのか?どんなサービス?機能があるのか?どうすれば手に入るのか?どのように使用するのか?といった疑問への答えと、どのサッカークラブがトークンを発行しているのか?などを順に説明しているので、気になる箇所をご覧ください。
クラブトークンとは何か?
そもそも「クラブトークン(Club Token)」とは何か。
クラブトークンは、簡潔に言えばサッカークラブが独自に発行する仮想通貨(暗号資産)です。
Clubはサッカークラブのこと。Tokenは"しるし"や"商品券"や"サービスとの引換券"などの意味を持つ単語です。
つまり、発行元のクラブに関する、いろいろな特典が付いた証券・お金のようなもの。ファントークン(Fan Taken)とも言います。
仮想通貨の業界ではトークンという言葉が頻出します。しかし明確に「何をトークンと呼ぶのか」といった定義はありません。(トークンの詳しい説明:トークンとは?)
仮想通貨と一口に言っても、現在は特徴や機能の異なる通貨が数万種類も流通しています。
そのなかで、サッカークラブが発行した仮想通貨のことをクラブトークンと呼んでいると理解して差し支えないでしょう。
スペインのバルセロナ、フランスのパリ・サンジェルマン、イタリアのユヴェントスやローマなどの名門クラブをはじめ、最近は世界各国のクラブが発行しています。
日本では湘南ベルマーレが最初に発行し、そのあと地域リーグのクラブなども取り入れはじめ、注目が高まっています。
クラブトークンを保有するメリットは?
そんなクラブトークン(ファントークン)を保有すると、どのようなメリットがあるのか?
クラブごとに具体的な特典は異なりますが、クラブトークンを持つと一般的に以下の4つの切り口でのメリットが生じます。
- ファンイベントへのアクセス
- 特典や割引の受け取り
- 試合チケットの優先購入
- クラブの経営に参加
メリットの一つ目は、ファンイベントの参加権です。クラブトークンの所有者は、クラブが主催するファン向けのイベント、例えばファンミーティングやトレーニングセッションなどの参加に関する抽選にエントリーできます。
2つ目は特典や割引の受け取りです。 クラブトークンを所有すると、クラブによっては公式ショップで商品を割引価格で購入することができます。また、特別なクラブグッズや限定商品を入手することもできます。
3つ目は試合チケットの優先購入権です。 トークンの所有者は、クラブが主催する試合のチケットを優先的に購入することができます。特に、人気の高い試合のチケットが入手困難な場合でも、優先的に購入できるかもしれません。
4つ目は、クラブ経営への参加です。クラブトークンを所有すると、クラブの経営についての情報を受け取り、決定に参加することができます。具体的には、スタジアムの改修にあたってのアンケートに投票したり、クラブ経営に関する意見を述べたりする機会が得られます。
トークン保有 = 応援の新しいカタチ
イベントの参加、グッズの割引、人気チケットを優先購入できる可能性などは、サポーターとして理解しやすいメリットですね。
一方で、4番目の「クラブ経営への参加」はやや特殊な響きです。
この特典は、言わば「サポーターの声」を届けて経営に関与できるというもの。
クラブトークンには株のような法的効力も配当もありませんが、トークン購入によって、自分の立場は単なるサポーターから間接的な出資者・投資者に変わります。
基本的にトークンは自由に売買可能であるため、タイミングによっては購入時よりも高い値段で売却できるかもしれません。
トークンの価値は需給バランスで変動します。
その需給の波に、クラブの調子も少なからず関与します。
クラブが好調であれば、サポーターとして嬉しいですよね。そのとき、持っているトークンの価値も上昇します。
このトークンを売るか、そのまま持っておくかは自分の判断次第。
つまり、トークンの購入は、クラブの応援 = 特典の獲得 = 間接的な出資(経営への部分関与) = 投資家の目線で関わる、までを含みます。
このような「新しい目線・新しい関係でクラブと接する」体験全体が、クラブトークンを保有するメリットと言えそうです。
サッカークラブ応援の新しいカタチですね。
人によっては、そこにステータスや満足などの精神的価値も感じるかもしれません。
トークンを発行するクラブ側のメリットは?
クラブ側にも、トークンを発行するメリットがあります。
そのメリットとは、クラブトークンの発行が、資金調達の一つの手段になり得ること。
実際に、トークンの販売によって得られた資金をグッズ制作や広報などに使用する例もあるようです。
クラブにとっては、クラブトークンがサポーターとの関係性を深める架け橋となり、各種の特典の提供によってロイヤリティ(クラブに対する忠誠心)の向上が期待できます。
クラブトークンのリスクは?
クラブトークンは良いことずくめのようですが、購入側はリスクも忘れてはなりません。
クラブトークンは仮想通貨で、対円レートは常に変動します。
購入したトークンの値段が、購入時よりも高くなる可能性の裏には下落するリスクもセットで付いていることを覚えておいてください。
クラブトークンの買い方・保有方法
クラブトークンの購入方法は、一般的な仮想通貨の取得手続きと同様です。
基本的には以下の4ステップで取得します。
- 対応取引所に登録する
- 取引所に送金する
- クラブトークンを購入する
- ウォレットに送金する
クラブトークンは、取引所に上場している(他の通貨とトレードができる)ものと、非上場(専用のサイトやアプリ内でのみ購入・売却可能)の二種類があります。
前者のトークンを購入するなら、対応取引所に登録します。
次に、資金を送金してトークンを購入します。
購入後は、そのまま取引所に保有しておいても構いません。あるいは、専用のプライベートウォレットに送金してください。
プライベートウォレットで保管しておいた方がより安全です。
クラブトークンを購入できるプラットフォーム
それでは、今現在、どこでどのようにどのクラブのトークンが購入できるのか、ご覧ください。
欧州サッカークラブのトークンはSocios.comで買える
Socios(ソシオス)は、サッカーのクラブトークン(ファントークン)の購入・売却ができる世界最大のプラットフォームです。
公開は2018年。現在、欧州や南米など世界各国の69クラブがSociosを使ってトークンを発行しています。(2023年時点)
アプリ内では、マンチェスター・シティ、アーセナル、パリ・サンジェルマン、ユヴェントス、ACミラン、インテル、ナポリ、ローマ、バルセロナ、アトレティコ・マドリー、そのほか欧州トップリーグの強豪のクラブトークンを保有でき、それぞれのクラブの特典を得ることができます。
トークンの購入には、チリーズ(Chiliz/CHZ)という仮想通貨を用います。実はSocios自体が、この仮想通貨を発行するChilizによる運営です。
CHZはBTCやETHなど仮想通貨のひとつ。いくつかの取引所に上場済みで、売買できます。(2023年4月26日から、コインチェックでも取扱開始)
コインチェックでチリーズを調達してSociosに送ることもできますし、Sociosのアプリ内でクレジットカード購入(ApplePay、GooglePay対応)も可能です。
その取得したチリーズを、各クラブのトークンに交換します。
また、Sociosのアプリで本人確認を済ませたら、アプリ内で購入したCHZもクラブトークンも、外部の対応ウォレットに出金できるようになります。
自分が好きなチームのトークンをSociosで購入しておき、投票企画に参加したり、チケットが当たるイベントに挑戦したり、良いタイミングで売却して利益を狙ったり、保有したままチームを応援し続けたり、使い方は自由。
Sociosは、まさにサッカーとの関わり方が一段深まるプラットフォームです。
日本のクラブのトークンはFinancie.jpが発行
Financie(フィナンシェ)は、日本のサッカークラブのトークン発行を手がけているクラウドファンディングプラットフォームです。
2021年、フィナンシェを用いて湘南ベルマーレがプロスポーツチームとして日本で初めてクラブトークンを発行し、話題となりました。
現在は、アビスパ福岡、ザスパクサツ群馬、YSCC、FC大阪、いわきFC、カマタマーレ讃岐、栃木シティフットボールクラブなどのプロサッカークラブや、南葛SC、鎌倉インターナショナルFC、エスペランサ、クリアソン新宿、ほか多数のアマチュアクラブがフィナンシェ上でトークンを発行しています。
サッカーに限らず、バスケットボールのクラブ、各種クリエイター、アイドル、地域振興イベントなどの応援もできます。
トークンを取得する際は、先にアプリ内でポイントを購入します。ポイントの購入は、クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済が使えます。
購入したポイントを、気になるチームのトークンと交換しましょう。
保有トークンの価格推移も一覧でチェックできます。
また、フィナンシェはFNCTという独自の通貨も発行していて、コインチェックにて購入できます。FNCTを保有することでフィナンシェの運営そのものに関する投票に参加したり、プラットフォーム上での特典も受けられるそうです。
フィナンシェは、トークンの発行を通じてスポーツクラブや各種団体・個人の資金調達をサポートするクラウドファンディングの場所。参加者にとっては、資金提供を通じた応援に各種リターンがついてくるうえ、トークンの価格上昇による売却益も狙える投資の機会。
サッカークラブとの新しい関わり方をお楽しみください。
どのクラブがトークンを発行している?(随時更新)
最後に、現在ファントークンを発行しているサッカークラブの一覧を掲載します。
Sociosでトークンを買えるクラブ
以下のサッカークラブは、Socios内でトークンを購入できます。()はティッカーシンボル
ヨーロッパのクラブ
イングランド
マンチェスター・シティ(CITY)
アーセナル(AFC)
アストン・ヴィラ(AVL)
クリスタル・パレス(CPFC)
エヴァートン(EFC)
リーズ・ユナイテッド(LUFC)
ハッシュタグ・ユナイテッド(HASHTAG)*セミプロ
イタリア
ACミラン(ACM)
インテル・ミラノ(INTER)
ローマ(ASR)
ボローニャ(BFC)
ユヴェントス(JVU)
ナポリ(NAP)
ウディネーゼ(UDI)
スペイン
アトレティコ・マドリー(ATM)
バルセロナ(BAR)
レアル・ソシエダ(RSO)
レバンテ(LEV)
セビージャ(SEVILLA)
バレンシア(VCF)
フランス
ASモナコ(ASM)
パリ・サンジェルマン(PSG)
ポルトガル
ベンフィカ(BENFICA)
オランダ
フォルトゥナ・シッタート(FOR)
トルコ
ガラタサライ(GAL)
アランヤスポル(ALA)
ガズィアンテプ(GFK)
ギョズテペ(GOZ)
イスタンブールBBSK(IBFK)
トラブゾンスポル(TRA)
ベルギー
シント・トロイデン(STV)
クロアチア
ディナモ・ザグレブ(DZG)
ポーランド
レギア・ワルシャワ(LEG)
スイス
ヤングボーイズ(YBO)
南米・北中米のクラブ
ブラジル
フルミネンセ(FLU)
アトレティコ・ミネイロ(GALO)
フラメンゴ(MENGO)
SCインテルナシオナル(SACI)
コリンチャンス(SCCP)
サンパウロ(SPFC)
ECバイーア(BAHIA)
バスコ・ダ・ガマ(VASCO)
パルメイラス(VERDAO)
アルゼンチン
リーベル・プレート(RIVER)
CAインデペンディエンテ(CAI)
ラシン・クラブ(RACING)
コロンビア
ミジョナリオス(MFC)
チリ
クルブ・ウニベルシダ・デ・チレ(UCH)
メキシコ
アトラス(ATLAS)
サントス・ラグナ(SAN)
UANLティグレス(TIGRES)
アジア・アフリカ・他地域のクラブ
インドネシア
バリ・ユナイテッド(BUFC)
ペルシブ・バンドン(PERSIB)
ペルシジャ・ジャカルタ(PRSJ)
ナショナルチーム
アルゼンチン(ARG)
イタリア(ITA)
ポルトガル(POR)
Financieでトークンを買えるクラブ
以下のサッカークラブは、Financie内でトークンを購入できます。
日本国内のサッカークラブ
プロクラブ
湘南ベルマーレ
アビスパ福岡
栃木シティフットボールクラブ
カマタマーレ讃岐
FC大阪
いわきFC
Y.S.C.C
ザスパクサツ群馬
アマチュア・そのほか
南葛SC
TOKYO2020 FC
TOKYO23 FC
SHIBUYA CITY FC
厚木はやぶさFC
COEDO KAWAGOE
イトゥアーノFC横浜
鎌倉インターナショナル
FC SONHO川西
ヴェルスパ大分
SS伊豆
アルテリーウォ和歌山
FC刈谷
OSAKA CITY SC
FC AWJ
エスペランサSC
SR KOMATSU
ブランデュー弘前
エリース東京
エブリサ藤沢ユナイテッド
クリアソン新宿
一日千本桜FC Feat.S.U.F.T
江ノ島FC
マッチャモーレ京都山城
海外のサッカークラブ
SOLTILO Bright Stars FC(ウガンダ)
イガンムタイガーFC(ナイジェリア)
アンコールタイガーFC(カンボジア)
(リストは2023年4月時点。随時更新します)